「どんな勝因も突き詰めれば…」
鈴木大は周囲と密にコミュニケーションを取って戦い方を整理し、自身の武器でもある競り合いの強さを存分に発揮しながら相手の攻撃を跳ね返し続けた。
秋田戦前までの千葉は、成績を見れば圧倒的な一方、どちらに転ぶか分からない薄氷を踏むような試合を続けていた。
それでもなぜ勝利できていたのか。理由はひとつではないが、ひと言でまとめてしまったのは、日高大だった。
「最も際立っているのは、大輔さん中心にコミュニケーションが取れていることだと思います」
日高は前節の大分トリニータ戦、秋田戦とこの2試合は前貴之にスタメンを譲っているが、主軸として左サイドバック、鈴木大の隣でプレーしてきた。
コミュニケーションに関しては量・質ともに昨季までと比べて大きく向上しており、小林監督も勝因のひとつに挙げていることだが、その中心には鈴木大がいる。どんな勝因も突き詰めれば、チームの中心に彼がいることによってチームが同じ方向を向いて戦えていることに集約されると日高は主張する。
また、鈴木大の存在感に感化されているのは、秋田戦で鈴木大と交代してピッチに立った河野貴志だ。
今季、秋田から千葉へ移籍し、古巣との戦いがリーグ8試合ぶりの出場となった河野にとって、そもそも千葉への移籍を決めた理由のひとつが鈴木大の存在だった。