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Jリーグ 7か月前

何が足りなかったのか。自問自答した平賀大空にもう迷いはない。「絶対的な自信」は京都サンガF.C.での練習の賜物【コラム】

シリーズ:コラム text by 藤江直人 photo by Getty Images

“最悪”のシナリオを想定したからこそ…。「運がよかった」

「相手が駿さん(長沢)を気にしていたので、空いているところに入っていこう、と。そこで雅くん(奥川)がニアへ浮かせたクロスを折り返してくれた。あの位置からだといいところに来ないというか、ニアに引っかかるかキーパーに取られる場合が多いんですけど、本当にすごい技術だと思いました」

 ここから先は平賀の本領発揮となる。ニアにいた町田のキャプテン、182cmの昌子源の死角から前方へ入り込み、クロスの軌道を見極めながら、昌子とあえて距離を取って急停止。慌てて後方から距離を詰めてきた183cmの岡村大八よりも早くジャンプし、体をぶつけ合いながら頭を振った。

 滞空時間の長いプレーから放たれた一撃は、左ポストに当たってゴールインした。平賀が言う。

「あれをファーにもっていけたのが大きかった。クロスのスピードもそれほどなく、頭を振るのはちょっと難しかったけど、それでも体をうまく開けたと思っています。最悪、シュートが流れても駿さんがいるとイメージしていたし、そこでたまたまポストに当たった。運がよかったという感じですね」

 町田の180cm台のセンターバック2人を翻弄した平賀の駆け引きを、京都を率いる曺貴裁監督は、9年半におよぶヨーロッパでのプレーをへて今シーズンから加入した奥川の技術とともに称賛した。

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