川崎フロンターレ戦では苦い経験も、「僕的にすごくよかった」
「雅也は切り込んだときに、クロスをどこにあげるのかを瞬時に判断できる。ちょっと止まった大空を見逃さずに、もっともディフェンスを泣かせるところにボールを送った。しかも、大空はヘディングがけっこう強い。その意味では、あの2人の意図がかみ合った素晴らしいゴールだった」
獅子は我が子を千尋の谷へ落とす。あえて厳しい試練を与えて、成長を促すことわざが、平賀に対してそのまま実践されたような曺監督の采配が振るわれたのは、3月1日の川崎フロンターレ戦だった。
敵地で1点をリードして迎えた72分。先制ゴールを決めていた奥川に代わって、今シーズン2試合目の出場を果たした平賀は、後半アディショナルタイムに入って松田天馬との交代を告げられた。
怪我などのアクシデントではない。チームに退場者が出たわけでもない。それでも途中出場した選手が途中で交代させられる理由は、送り出された際の期待に応えられなかった証となる。平賀が振り返る。
「そこから何試合か出られない時期もありましたけど、足りないところがまだまだあるとわかったので、逆にその時間を練習に当てられた。いまは練習しろと言われていると思い、自分を追い込んだなかで、得意なところをもっと伸ばせた。自分を見つめ直す時間があったのは、僕的にすごくよかった」
具体的に何が足りなかったのか。自問自答の末にたどり着いた答えを、平賀が打ち明ける。