「迷いなくプレーできている」。自信を手にした平賀大空
「もともとドリブルには自信がありましたけど、絶対的な自信というのはまだまだもてていなかった。どうしてもミスを恐れていたので、練習ではとにかく1対1ばかりやりました。京都にはそういうタイプの選手が少ないので、自分が京都の武器になれば、という意味も込めてひたすら繰り返しました」
平賀の鬼気迫る姿を、目の当たりにし続けたチームに変化が起こった。平賀が続ける。
「徐々に自信がついて、どんどん仕掛けたい、という意欲がわいてきたなかで、チームメイトから『お前はどんどんいけ』と信頼をえられたというか。僕自身、今年の最初のころと比べて、仕掛けなかったら自分じゃないと思えている。迷いなくプレーできているのは、ひとつ成長した部分なのかなと思う」
後半アディショナルタイム95分に福田が決めた、劇的な逆転ゴールにも平賀が大きく関わった。
京都が送った浮き球を自陣の中央で、頭ではね返さずに胸で処理した岡村のトラップが大きくなった。すかさず奥川が突っかけ、こぼれたボールを拾った平賀が、左サイドを攻めあがってきた須貝英大へパス。このとき、マークについた望月ヘンリー海輝の股間を抜くパスを放っている。
ペナルティーエリアの外から、須貝が迷わず放ったシュートを岡村がブロック。こぼれ球を拾い、ペナルティーエリア内へ進入した川﨑颯太が、奥川へ送ったパスを昌子が必死にカットする。それでも京都の波状攻撃は止まらない。長い距離を攻めあがってきた福田が、左足を振り抜いて死闘に決着をつけた。
連敗を2で止めた劇的な勝利に大きく貢献した平賀へ、曺監督は思わず目を細めている。