連敗が良いきっかけに。「見えていなかった部分が見えるようになった」
「大空のよさがスポイル(台無し)されていた、という意味で(川崎戦では)代えましたけど、彼はそういった浮き沈みをちゃんと自分でわきまえて次へ向かっていける。その意味で非常に大人になってきた感じがあるし、前を向いたときのスピードや突破力、得点に関わるアイデアは非常に高い。まだまだ伸びていくと思っている」
町田戦ではチーム最多の8ゴールをあげているラファエル・エリアスが、ベンチ入りメンバーから外れた。前節までの3試合で2ゴールをあげていた原大智も、負傷で24分にベンチへ下がった。
さらに39分には町田の十八番、ロングスローから望月にプロ初ゴールを決められた。苦境に陥った状況で後半開始から投入され、約2カ月ぶりにピッチに立った長沢が体を張った。何度も仕掛けた平賀が言う。
「練習で手を抜いている選手は一人もいないし、一番年上の駿さんが実は一番練習している。そういう選手の背中を若手も中堅も見ているし、プロとして自分たちがそれ以上に練習しないと、駿さんたちを超えていけない。そういう気持ちにさせられているのは、すごくいい循環だと思っています」
ガンバ大阪、セレッソ大阪の同じ関西勢に喫した連敗が、目を覚まさせてくれたとさらに平賀が続ける。
「それまでうまくいっていて、見えていなかった部分が逆に見えるようになった。それまでの京都を思い出せたし、曺さんもみんなに『もう一回やろう』と伝えてくれた。自分たちが上位にいた、といったメンタルじゃなくて、常にチャレンジャーだとリセットできたのが今日の逆転にもつながっていると思う」
チーム一丸となった逆転勝利とともに、京都は3位へ浮上した。一時はクラブ史上で初めて首位に立った京都が今シーズンで見せる強さの秘密は、サンガタウン城陽で繰り広げられる日々の練習に、そのなかで千尋の谷から自分の力ではい上がってきた平賀が急成長を遂げる軌跡に、凝縮されている。
(取材・文:藤江直人)
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