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Jリーグ 7か月前

「誰一人、満足はしていない」10戦無敗、好調柏レイソルの“強さの正体”。リカルド・ロドリゲス監督が掲げる理想【コラム】

シリーズ:コラム text by 加藤健一 photo by Getty Images

「勝てなかった試合にフォーカスしている」

 「前半から多くの決定機を作れていた。ハーフタイムには選手たちに『いいプレーができている。これを継続しよう』と遅かれ早かれ、ゴールにたどり着くというメッセージを伝えた」

 その言葉の裏には、選手たちのプロセスを信じる姿勢が垣間見える。

 焦らず、慌てず、準備した形を愚直に繰り返す。たとえゴールネットを揺らすことができずとも、今何をすべきかを常に考え続ける。ボールを動かし続ける中で相手の足を止め、最後は崩し切る。柏がしぶとく勝ち点を積み上げられているのは、戦術に対する理解と忍耐が深まっている証拠だ。

 自分たちのスタイルに自信を深めながらも、これまでの課題も消化している。
 
 リーグ戦15試合でわずか1敗。ただ、引き分けが6つとかさみ、首位の座を鹿島に譲っている。勝利と引き分けが混在する試合が続き、無敗記録を伸ばす中でも勝ち切れない試合に悔しさが残る。

 10戦無敗という記録については「そこまであまり意識が向いていないかもしれない」と久保は言う。さらに「勝てなかった試合にフォーカスしている」と無敗という事実よりも、勝ちきれなかった現実の方を重く受け止める。その姿勢がチームの根底にはある。
 

 熊坂光希も京都サンガF.C.戦で、「先制した後にプレッシャーを受けて下がってしまって、終盤に2失点してしまった」と過去を教訓にする。今の柏には「やられた過去をそのままにしない」強さがある。リードを得た後も、攻める姿勢を崩さない。その姿勢がジエゴが決めた追加点に表れていた。

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