「その体力がないわけではない」「チャレンジしていってほしい」
「彼がもうひとつ上にいくのであれば、ボックス・トゥ・ボックスの選手にならなければいけないし、その体力がないわけではないと思っている。チャンスとあれば相手のボックスまで入っていき、自分のバイタルエリアまで戻る。これを90分間繰り返せるところに、チャレンジしていってほしい」
湘南戦では京都産業大学から加入して2年目の23歳で、リーグ戦で初先発を果たした食野壮磨とダブルボランチを組んだ。食野に加えてボランチもできる2列目の齋藤功佑が足をつらせて、ベンチに下がった58分からは、攻撃的MFやウイングバックを主戦場とする23歳の松橋優安がパートナーになった。
「(練習でも)まったくやっていないので、どういう意図があってあの形になったのか。僕としてはちょっとわからないけど、それでももう少しうまくやれたかなと思っています」
森田が再び自分を責めた。代わりにボランチでプレーできる選手がいなくなった非常事態で、ボールを刈り取る力や前への推進力ももつ松橋がスクランブル起用されたのは、森田がいるからこその采配でもあった。だからこそ自身も失点に絡み、再び黒星が先行した湘南戦の結果が悔しい。
「J2でのプレーを忘れずに、これからもコツコツとやっていきたい。J2の時間が長かった分だけ、J1のカテゴリーでどんどん出場試合数を増やしていって、Jリーグを代表するような選手になれたらと思う」
201試合目以降を見すえた森田は、ヴェルディの逆襲へ向けてもこんな青写真を描く。
「連戦が終わったので、準備にあてられる時間もできる。連戦のなかで得たものや反省点をチームに落とし込んで、今日のような試合で勝てるように、レベルアップした姿を見せなきゃいけない」
森田が負傷欠場した3月下旬からの4試合で3分1敗と未勝利だったように、緑色の血が流れていると自負する男はヴェルディに欠かせない。そして、アカデミー伝統の高い技術、キャプテンを拝命してより強くなった責任感に相手ゴール前における怖さも融合させるべく、森田は自己研鑽を続けていく。
(取材・文:藤江直人)
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