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Jリーグ 7か月前

「その1本、俺がいきたいんです」山根陸にはやるべきことが見えている。横浜F・マリノスに自信をもたらすのは、俺だ【コラム】

シリーズ:コラム text by 菊地正典 photo by Getty Images

強烈な悔しさが襲った。結果として何も貢献できなかった

「俺が何とかする」

 チームが連敗を続けていても、先制を許していても、自身がスタメンから遠ざかったとしても、山根はポジティブなメンタリティーでピッチに入った。

 状況はシンプルだ。点を取るしかない。

 チャンスメークする力、攻撃的な能力はマリノスのボランチの中でも最も長けている。山根はとにかく前を向いた。相手ゴールに背を向けた状態でボールを受けても、バックパスすると思わせてターンして前進し、ボールを前に送った。これでもかというほどに自分の持ち味を発揮し、局面を打開し続けた。そのプレーは確実にチームをゴールに近づけた。

 肝心のゴールは決まらなかった。結果として山根はゴールにも勝ち点獲得にも貢献できなかった。試合終了のホイッスルを聞くと、強烈な悔しさに襲われた。その悔しさが表情に表れたのだろう。

 だが、山根は堪えた。

「落ち込んでいても仕方ないし、下を向いている場合じゃない」

 5連敗という状況でそう思えるのは、偉大な先輩の背中を見続けてきたからだ。

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