負の流れを変えるためには「ギャップを埋めることが必要」
「今日は僕と交代しましたが、一緒にピッチにいるときもそうです。喜田くんはどんな負け方をしても堂々としている。その姿を見て、大事なことだと思っていました。今日は意識したというわけじゃないけど、自然にそうなっていたのかもしれません」
もっとも、山根は背中を見続けてきたが、もう背中を見ているだけではない。渡辺皓太もそうだ。彼らはもう、追い越すべき存在。山根自身がマリノスで絶対的な存在になるためには、追い越さなければならない。
そのためにもいま、山根はチームの負の流れを変えようとしている。
「運もそうだし、流れってあるじゃないですか。よくない流れが続いているときは自信を持って選択できなかったり、選択した後のことを想像してしまったりする。いいときは思い切ってその選択ができる。そのギャップを埋めることが必要だと思います」
自信を持った選択。それをリスクという言葉に変えて重要性を説いていたのは、山根と同じくマリノスの育成組織出身であり、プロ21年目を迎えた飯倉大樹だった。プロ4年目の山根はいま、最も古くからのマリノスを知るチーム最年長と同じマインドで自身やチームと向き合っている。