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Jリーグ 4週間前

「今日は入らん日や…」セレッソ大阪、19歳・髙橋仁胡が見せたクオリティーと恐れなしの度胸。「絶対聞かなあかん」【コラム】

シリーズ:コラム text by 元川悦子 photo by Getty Images

「攻撃的な部分は悪い試合じゃなかった」

 若手の起用に熱心なパパス監督の下、今季の髙橋は着実に出番を増やしている。当初はベテラン・登里亨平の負傷によってチャンスをもらう形だったが、5月の3連勝時は全て先発フル出場。レギュラーをつかんだ格好だ。

 ただ、川崎の場合は対面に老獪な家長昭博が陣取り、背後からファンウェルメスケルケン際も上がってくる。セレッソの3−4−2−1と川崎の4−2−3−1では布陣も異なり、ミスマッチやギャップも生まれる。そのあたりに気を付けながら、背番号「22」は持ち前のスピードと推進力、左足のクロスといったストロングを押し出していく必要があった。

 前半のセレッソはなかなかボールが落ち着かず、シュートチャンスが作れなかった。それでも髙橋は左シャドウのルーカス・フェルナンデスと好連係を見せ、アグレッシブに左サイドを打開していく。

 開始10分にペナルティエリアに侵入してグラウンダーのクロスを入れたシーン、あるいは12分にラファエル・ハットンからのパスを受け、左のポケットをえぐって上門知樹にラストパスを送ったシーンなどは、非凡なセンスを感じさせた。

「最初、結構攻撃できたと思いますし、チャンスはいっぱいあった。攻撃的な部分は悪い試合じゃなかったかなと思います」と本人も手ごたえをつかんだ様子だ。

 とはいえ、前半のシュート数が2本というのは不完全燃焼感も拭えない。川崎にボールを保持され、彼自身、最終ラインに吸収されてしまう状況も少なくなかった。守護神・福井光輝の度重なるスーパーセーブがなかったら、複数失点を喫していてもおかしくなかった。

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