悪夢の失点も「『メッチャやられた』という感じじゃ…」
「(効果的な)ボールを(前線に)入れることが足らんかった。ゴールは入る時も入らん時もある。今日は入らん日やったのかなと思います」と19歳の若武者はアッケラカンとしていたが、そのポジティブなマインドがスペイン育ちの優位性だ。若い選手はミスを恐れず、どんどんチャレンジしていくしかない。今の彼はそれを実践しているのだろう。
停滞感を打破すべく、パパス監督は57分に中島と北野をダブル投入。これで一気にギアが上がる。髙橋は60分に思い切ったミドルシュートを放ち、25分には左ポケットの奥深いところで折り返し、北野の決定機を演出して見せた。だが、それでもゴールネットを揺らせないまま試合は終盤へともつれこんだ。
迎えた85分、セレッソにとって悪夢のシーンが訪れる。途中出場の大関友翔のスルーパスに、同じく登場したばかりの瀬川祐輔が反応。彼に髙橋も寄せたが、巧みに反転され、エリソンへのスルーパスを出させてしまった。川崎のエースFWは背後に抜け出し、守護神・福井の股下を射抜く。ついに1点を奪われたのだ。
「ちょっと中のポジションを取られて、大関選手もいいボールを入れたと思いますし、最後、(西尾)隆矢君と自分が2人でパスを切ろうとしたけど、相手のFWもいいランニングをした。相手のいい場面だったなと。最終的にゴールは入れられましたけど、『メッチャやられた』という感じじゃなかったです」