香川真司の存在に「一緒におれるのはすごく嬉しい」
髙橋は強気の姿勢を崩さなかった。まだ時間は5分以上あるし、巻き返せばいい…。そう瞬時に切り替えたからこそ、そういった発言をしたのだろう。
だが、セレッソは同点に追いつくことができず、逆に丸山祐市のロングフィードに反応したエリソンにまたもや抜け出され、2失点目を喫し、そのまま0−2で敗れてしまった。
「3連勝して、さらに勢いを持ってアウェイで勝てるかっていうチャレンジをみんなでしていた中で、セレッソのチームのメンタリティが試されていた試合。何としても勝ち点を拾わなければいけなかったし、非常に悔しい負け方ですね」
36歳のベテラン・香川真司も苦渋の表情を浮かべたが、こういう一進一退の攻防を制していけるようにならなければ、悲願のJ1タイトルには手が届かない。彼らは改めて現実の厳しさを痛感したに違いない。その偉大な先輩から髙橋も学ぶことは少なくないはずだ。
「『怖がらず自分のプレーしていけ』と言ってくれますし、『たまにちょっと落ち着けばいい』ともアドバイスしてくれます。真司さんみたいないろんな経験あるハイレベルな選手からそういうことを言われたら、絶対聞かなあかんと思いますし、できるだけ自分のプレーに生かそうと思ってます。一緒におれるのはすごく嬉しいですね」と彼はしみじみと話す。
香川も川崎戦のような惜敗を何度も経験してきたから今がある。その背中を追いかけつつ、髙橋はセレッソを担う存在へと飛躍を遂げるべきなのだ。
北野にザルツブルク移籍の噂がある今、やはり同じ2000年代生まれの彼や中島、喜田陽らがチームをけん引していかなければ、勢いは生まれない。髙橋には小さくまとまらず、強気のマインドで突き進む必要がある。バルセロナ育ちのアドバンテージを最大限生かして、スケールの大きな左WB・サイドバックへと大きく成長してほしいものである。
(取材・文:元川悦子)
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