扇原貴宏の目に映る横浜F・マリノスの戦い方
「プレースタイルがちょっと変わったなかで、選手たちが伸び伸びとプレーしていないという意味で、マリノスらしくないのがショックというか。今日もみんな伸び伸びとプレーしていなかったというか…」
マリノスは神戸に対して、アタッキングフットボールと異なる戦法で臨んできた。中盤のパスワークを省き、キーパーや最終ラインから手数をかけずにロングボールを前線の両サイドに送る。前半終了間際に一時は同点に追いつく豪快なミドルシュートを決めた、キャプテンの喜田拓也が戦法の変更を振り返る。
「いまは結果しか必要ないという状況で、その結果を出すためにどうすればいいのかをクラブとして考えて、話し合って、ある意味で腹をくくって挑みました。いまの僕たちは暗闇のなかにいるし、光という表現が正しいかどうかはわからないけど、非常に前向きでポジティブなエネルギーは感じました」
しかし、なりふり構わず、とも表現できる戦い方も奏功しなかった。扇原自身も神戸へ移籍した2022シーズンに、最下位で折り返しを迎えている。今シーズンのマリノスも、折り返しが迫った状況で19位のアルビレックス新潟に勝ち点で5ポイント差、残留圏となる17位の横浜FCには10ポイントも離されている。
一時的にもアタッキングフットボールの看板を降ろした選択が、理解できるとばかりに扇原は続けた。