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「自分のすべてを犠牲にしてでも勝利に」鈴木冬一が横浜F・マリノスのために捧げた30分間「どう抑えようかを常に考えていた」

text by 編集部 photo by Getty Images

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【写真:Getty Images】

途中出場の鈴木冬一が横浜F・マリノスを勝利に導く

 明治安田J1リーグ第18節、横浜F・マリノスが首位・鹿島アントラーズを3-1で撃破し、クラブワースト連敗を7でストップさせた。マリノスは試合を通じて鹿島の攻撃を受ける時間が長かったが、60分から途中出場した鈴木冬一がその流れを断ち切る重要な役割を果たしていた。

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 鹿島の攻撃はチャヴリッチが鍵を握っていた。荒木遼太郎や小池龍太と良い距離感を保ちながらプレー。荒木も「結構関係よくできてたんで本当に狙い通りではあった」と一定の手応えを感じていた。

 だが、60分にピッチに入った鈴木冬一がこの状況を一変させる。ピッチ外から試合を観察し、「チャヴリッチ選手のところを起点に攻撃してきていた。もし自分が出た時にどう抑えようかを常に考えていた」と明かすように、準備は万全だった。

 鹿島は後半開始から柴崎岳を入れ、ロングボールで大きく展開してサイドからチャンスを作ろうと試みた。チャヴリッチや鈴木優磨がサイドを起点に仕掛けてくるパターンに対し、「ウイングの選手と連携して抑えようと思っていた。(チャヴリッチは)縦突破が得意だし、クロスの質も高いので、そこは絶対にやらせない意識を持っていた」と徹底マーク。1対1の場面でも冷静に対応し、相手の攻撃の芽を摘み取った。

 鈴木にとって新天地での1年目は思い描いていたようなものではなかったかもしれない。序盤戦こそ出場機会を得ていたが、怪我によって長期離脱を強いられた。「腐ることなく、こういう試合をイメージして準備してきた」と語る彼にとっても、この試合は転機になるかもしれない。

 連敗が続く前節で実戦復帰を果たし、今節は勝利に導くパフォーマンスを見せた。「自分のすべてを犠牲にしてでもチームを勝利に近づけたい」という熱い想いはプレーにも表れている。「球際やしつこくついていく姿勢は自分の持ち味。今日の試合を最低基準にしたい」と語るように、守備でのタフさをこの先も発揮し続ける構えだ。

 試合終盤には鈴木優磨と小競り合いになる場面もあったが、「頭の中は冷静だった」と答える。「挑発に乗ったら負け。心理戦も見どころの1つで、駆け引きでも負けない気持ちが大事」と、守備だけでなく精神的にもチームを支えた。

 残留という現実的な目標に向けて大きな勝利となったが、試合後のロッカールームに笑顔はなかったという。「誰も満足していない。すでに次に向かっている」。最下位脱出はまだ遠いが、鈴木のようなチームのために戦える選手が必要だ。

(取材・文:加藤健一)
 

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【了】

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