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Jリーグ 2週間前

横浜F・マリノスが「どういうクラブか」その答えを、喜田拓也は先頭に立って見つけていく。「笑い者にされてもいい」【コラム】

シリーズ:コラム text by 菊地正典 photo by Getty Images

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 明治安田J1リーグの第18節、横浜F・マリノス対鹿島アントラーズは3-1でマリノスが勝利した。マリノスの選手たちからは並々ならぬ覚悟が見受けられた。アタッキングフットボールからは程遠いスタイル。それでも、勝つために必要なことを手に入れたマリノスは、ここから這い上がることはできるのだろうか。(取材・文:菊地正典)

喜田拓也はピッチに倒れ込んだ

喜田拓也
【写真:Getty Images】

 試合終了を告げるホイッスルが聞こえたのは、ボールを追いかけている最中だった。

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 喜田拓也は走る速度を少しずつ緩めたが、崩れ落ちるように倒れてピッチに突っ伏した。体全体で大きく呼吸をしたあと、表情を変えずに立ち上がる。

 そのときのことは覚えていないという。

 本当だろうか? やり切ったのか、という質問に対して、「いや全然」と返したあとの言葉の歯切れの悪さが妙に気になった。

「まだ、はい、何も…何ですかね? 分からないですね」

 一方、その瞬間の気持ちをはっきりと覚えていたのは、山根陸だった。立ち上がった喜田に真っ先に駆け寄った選手である。

 山根にとって喜田は、育成組織からの先輩というだけでなく、プレーも人間性も「見習うことしかない」とリスペクトする存在である。

 喜田に駆け寄ったのは「たまたま目に入ったから」。だが、ひとたび喜田の姿が目に入れば駆け寄らざるを得ない理由もあった。

 山根が神妙な顔つきで話し始める。

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