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Jリーグ 2週間前

横浜F・マリノスが「どういうクラブか」その答えを、喜田拓也は先頭に立って見つけていく。「笑い者にされてもいい」【コラム】

シリーズ:コラム text by 菊地正典 photo by Getty Images

思い起こされる昨年の出来事。「誰がピッチの中で変えようとした?」

「みんなが苦しい思いをしていた。でも、特に苦しかったのが喜田くんだったと思う。だから何か…喜田くんのところに行きたくなっちゃいました」

 話し終えると、山根は一気に笑顔を弾けさせた。

 2025年5月25日、横浜F・マリノスは鹿島アントラーズと対戦した。マリノスは未消化分の試合で勝利しても順位を一つも上げることができない7連敗中の最下位。一方、鹿島は7連勝中の首位。対照的な状況である。

 2019年に15年ぶりのJ1制覇を果たしたのち、2022年にもリーグ制覇と数年前までJリーグを牽引する立場にあったマリノスだが、勝てない時期が続くのは2024年も同じだった。

 2024年7月には4連敗を喫した。第22節のガンバ大阪戦後、喜田がチームメートに訴えかけたことは当時、話題になった。奇しくも今回と同じ、ホームでの鹿島戦の前の出来事である。

「みんなが悔しいと思う。でも、誰がピッチの中で変えようとした? 形とかやり方じゃなくて、誰が責任を負おうとした?」

 今季の連敗は約1年前から3つも多く続いている。周囲からさまざまな声も聞こえてくる。

 だが、喜田はあのころといまのチームに違いを感じていた。

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