「失ったものはすごく多い。勝ってうれしいけど…」
アンデルソン・ロペスのシュートがブロックされたこぼれ球に鋭く反応。利き足ではない右足を振り抜くと、低い弾道のシュートがサイドネットに突き刺さった。
「迷わず打つことがいいコースに飛ぶと僕は思っていて、結果的にそうなった」と自画自賛しながらも、置かれている状況を考えると1勝しただけで満足感に浸っている余裕はない。
「本当にここからだと思う。今日勝ってホッとはしているけど、失ったものはすごく多い。勝ってうれしいけど、まだまだだなという気持ち」
どこか浮かない表情の理由は、快勝に見える試合の内容にあった。
前記した先制ゴールに続いて、13分にヤン・マテウスが追加点。流れるようなコンビネーションプレーから見事なゴールが生まれた。さらに27分にもヤン・マテウスが得意の左足でビューティフルゴールを決め、前半途中の時点で3-0に。最高の展開だが、一方で極端なゲームプランを選びがちなシチュエーションでもある。
永戸が落ち着いた語り口で試合を振り返った。