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Jリーグ 1週間前

「今度はもっと…」永戸勝也の浮かない表情には理由があった。横浜F・マリノスのこれからに目を向ける背番号2【コラム】

シリーズ:コラム text by 藤井雅彦 photo by Getty Images

「今度はもっと…」永戸勝也は自分たちへ期待している

 次節以降も同じ展開になる確率は低いとあらかじめ認識しておくべきだろう。もうすぐ長いリーグ戦の半分を終えるのに2勝5分10敗と大きく負け越している現実から目を背けてしまえば、同じ轍を踏んでしまいかねない。

 だからといって12試合ぶりの、実に70日ぶりにもぎ取った勝利の価値が薄れるわけではない。上昇していくための、きっかけの1勝にしなければいけない。勝ち点3に勝る良薬はないのだから。

 背番号2が安堵の声色で続ける。

「ここまで、だいぶ長かった。自分の人生で一番長かったと思う。なかなか方向性が見えていなかった中で、連戦で試合が続く難しさがあった。やっと勝てたので、ここから頑張るしかない。今日はショートカウンターで点を取れたのがよかったけど、押し込んだ時にも自分たちの良さを出したい。この試合をベースに、今度はもっと相手陣地でボールを持って攻めたい。そういうところをもっと出せたらいいと思うし、もっともっとできるはず」

 豊富な経験を持つ左サイドバックは厳しい現実を受け止めながらも、自分たちへの期待を隠そうとはしない。その視線はこれからも続いていく過酷な戦いに早くも向けられていた。

(取材・文:藤井雅彦)

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【了】

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