3位:ヴィッセル神戸
対象シーズン:2024
勝率:55.26%
成績:21勝9分け8敗
2024シーズンのJ1も、優勝クラブの勝率が低いシーズンだった。連覇を達成したヴィッセル神戸の勝率は55.26%で、Jリーグ優勝クラブとして歴代3番目の低さだったが、その実態は最後まで戦い抜いたタフなチームの姿だった。
前シーズンにクラブ史上初のJ1優勝を果たした神戸は、継続路線をベースに宮代大聖や井出遥也ら新戦力を加えてシーズンに臨んだ。開幕戦ではジュビロ磐田を2-0で下したが、序盤は波に乗り切れず、第7節終了時点では3勝2分け2敗と苦戦した。
優勝候補の筆頭だった浦和レッズが序盤から調子が上がらない一方、昇格組のFC町田ゼルビアが旋風を巻き起こし、鹿島アントラーズやガンバ大阪も上位に食い込むなど、例年以上に読めない展開が続いた。
そんな中で神戸は、吉田孝行監督のもとでスター選手と若手の競争を促しつつ、チームの土台である高強度なスタイルを維持。前シーズンに22得点を挙げた大迫勇也に対するマークが厳しくなる一方で、生え抜きの佐々木大樹が存在感を強めるなど、得点源が分散された。
第13節で一度は首位に立つも、すぐに順位を落とすなどして安定感に欠ける時期もあった。特に7月の第23節から5試合では1勝3分け1敗と苦しんだが、終盤戦で調子を取り戻し、第35節で再び首位に浮上。その後はライバルの失速を尻目に首位を守り抜いた。
最終的に神戸は21勝を挙げて連覇を達成したが、2位サンフレッチェ広島から5位鹿島アントラーズまで、わずか勝ち点3差の接戦だった。苦しみ抜いて手にした連覇は、神戸がJリーグの強豪としての地位を確立するものだった。
