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Jリーグ 1か月前

原口元気のアドバイスを石原広教は実践してモノにする。「見られ方も変わる」浦和レッズで最大級の評価を得るまで【コラム】

シリーズ:コラム text by 菊地正典 photo by Getty Images

原口元気からアドバイスをもらった

「昨季の後半戦、マチェイ(・スコルジャ)監督になってからはコンディションの問題もあり、自分の良さを出せない状態でした。だから監督からよく見えていないだろうということも分かっていました」

 湘南でのレギュラーという立場を捨て、同じポジションに世界を知る選手がいる強豪に加入した昨季の開幕前は、むしろゲームに参加できることの方が珍しかった。

 それを思えばたいしたことはない。それでもポジションをつかんだ経験もある。

 練習や練習試合ではとにかく、自分の特徴を出そうと試みた。昨季はケガに加え、できなかったことにチャレンジした結果、うまくいかないことも多かったが、その反省も踏まえてシンプルに自分の良さを出すことを意識した。

 さらに、全体練習後はひたすらクロスの練習に励んだ。池田伸康コーチに指導してもらい、原口元気からもアドバイスをもらった。

 その結果、石原はマチェイ監督から最大級の評価を得ることになる。

「ヒロはJリーグの中でもゴール前へのクロスが最も得意な選手の一人です」

 指揮官がそう語った10日後、2025年5月11日のアルビレックス新潟戦で石原は今季初アシストを記録した。

「トレーニングしたとおりの形が出たという感覚です」

 練習のイメージを実践した結果、「ヒロ君は良いボールを試合中に何度も上げているので、信じて入っていった」という長倉幹樹がヘディングでゴールを決めた。

 また、そのクロスは原口の「力を抜け」というアドバイスを実践して生まれたものでもあった。

「元気くんのアドバイスの感覚で蹴ることができる回数が増えてきています」

 その点においても石原は手応えを感じていた。

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