「本当にベストレベルに到達していれば、勝つチャンスがあった」
後半の早い時間帯にリードを広げられてしまったが、追いかけるしかない展開で、開き直った部分もあったのか、浦和の攻撃がどんどん前向きになり、56分のPK獲得につながる。自陣からボールを動かし、GK西川周作を起点に、中央で安居が繋ぎ、縦パスを受けたグスタフソンがバイタルエリアまでボールを運ぶと、絶妙のタイミングでゴール右をフリーではしる金子にボールを渡す。
「サミュエルが運んでいて、ボールが来て少し弱くなったので。ちょっと中行くフリというか、食いつかせる感じで剥がしたと思って。自分的には突破できた感じがあった」と語る金子だが、そこで左サイドバックのマルコス・アクーニャに倒された。そしてキッカーの松尾佑介が冷静に決めると、試合はわからなくなった。
この時点では浦和サイドにも期待感が広がり、0-2から追いかける立場だったチームにとっては願ってもない流れに、日本から退去詰めかけたサポーターの応援もさらに熱を上げたように感じられた。しかし、この日のリーベルにとって最初のCKを途中出場のマクシミリアーノ・メサが頭で決める形で、再び2点差にされてしまう。
その後も中盤でボールを触りながら、浦和のリズムを取り戻そうとしたグスタフソンだが、88分に原口元気との交代で退く。試合はそのまま1-3で終了した。グスタフソンは「我々のベストレベルに到達できなかったのが残念です。本当にベストレベルに到達していれば、勝つチャンスがあった」と語る。
「この試合はしっかりみんなでプレーして、どのような雰囲気かを感じ取れたと思います。もちろん次の試合、残り2試合は勝たないとグループステージ突破にはならない。そして間違いなく、今日よりもパフォーマンスを良くしなければ、勝てないような手ごわい相手なので。しっかりと準備して、臨んでいきたい」とグスタフソンは強調する。
浦和にとっては痛い初戦黒星になったが、相手に慣れるとともに、少しずつアジャストして後半の内容だけ見れば、ほぼ互角になっていたことを前向きに捉えて、個のタレント力やチームの総力的にはリーベルより上かもしれないインテル戦に、勝利の望みをかけていく。
(取材:文:河治良幸)
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