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Jリーグ 5か月前

渡辺皓太は苦しんでいた。でも「一旦いろいろな考えを捨てて…」。それこそが横浜F・マリノスに必要なプレー【コラム】

シリーズ:コラム text by 菊地正典 photo by Getty Images

喜田拓也は「さすがだなって。まさにキャプテンです」

 試合後の取材エリアでも険しい表情を見せ続けていた渡辺だが、そのことを思い出すと頬が緩んだ。

「喜田くんは常にチームのみんなのことを気にしてくれているし、常にポジティブな言葉を掛けてくれるので、さすがだなって。まさにキャプテンです」

 互いに信頼を寄せ合い、ともにピッチに立つことも多い2人だが、同じポジションのライバルでもある。この試合では連戦の最中という事情もあっただろうが、渡辺がキャプテンをベンチに追いやってスタメン出場した格好となった。

 若手も台頭している。山根陸は渡辺の出場機会が限られる最中も8試合連続スタメン出場中。シーズン序盤に違いを見せながら負傷離脱したジャン・クルードも復帰が近づいている。ポジション争いは熾烈だ。

 一方、一列前では植中朝日に続いて遠野大弥も離脱。負傷するFC東京戦まではリーグ全試合に出場していた遠野は、右アキレス腱断裂で全治6カ月見込みと今季絶望となった。

 湘南戦で同点ゴールをアシストした天野純もいるが、攻撃面ではテンポの良いパスと前線への飛び出しも武器とする渡辺が入ってもいい。

 最も望む結果は手にできなかったが、チームも渡辺も可能性は大いに感じさせた。試合が終わった際に渡辺が笑顔を見せる日は、きっとそう遠くない。

(取材・文:菊地正典)

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【了】

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