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サッカークラブがプロリーグを戦う上で最も重要な要素のひとつが、潤沢な資金である。Jリーグの各チームも懐具合と相談しながら、日夜苛烈な競争を生き抜いている。今回は純資産を基準に、その金額が最も低いクラブをランキング形式で紹介する。※売上など金額のソースはJリーグが発表した「クラブ決算一覧」を参照。柏レイソルと湘南ベルマーレは3月決算のため除外、金額で並んだ場合は売上が低い方を上位とする。
5位:奈良クラブ
純資産(2024年度決算):500万円
売り上げ高:4億6500万円
当期純利益:-1300万円
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2022年にJFL(日本フットボールリーグ)を制覇し、翌2023シーズンからJ3を戦う奈良クラブ。プロ化して間もないなか、経済規模は小さいながら奮闘を続けている。
クラブが今年4月に公表した決算資料によれば、2024年度の売り上げは約4億6500万円。JFL最終年の2022年度が約2億1500万円だったことを踏まえると、この数年で倍以上の増収を記録していることになる。
収入の内訳を見ても、ポジティブな側面が見受けられる。Jリーグが5月27日に発表した各クラブの経営情報によれば、2023年度のスポンサー収入が約2億1500万円だったのに対し、2024年度は約2億4300万円。入場料収入は約3800万円から約4400万円に伸びている。
1300万円のマイナスを出した2024年度を含め、直近5年間のうち4回の決算で赤字を記録している点は懸念されるが、クラブの成長曲線は右肩上がりに見える。
4月の決算を通じて、同クラブの代表取締役社長・濵田満氏は次のように述べている。
「チーム成績が伴わなかった(2024シーズンJ3・17位)にも関わらず、各指標が上昇していることについては、奈良にもJリーグというものが少しずつ浸透してきているのかなと手ごたえを感じています。今、クラブとして取り組んでいるのは、クラブの収益源を多角化することです。
私が代表に就任した前年はスポンサー売上がクラブの収益の83%もあり、非常に経営リスクの高い状況でした。そこから5年がたち、現在は52%まで下がってきています。クラブとしては、本来サッカークラブの収益源であるスポンサー売上、入場料売上、物販売上は伸ばしつつ、それ以外の部分で、奈良という地域の方たちとさまざまな形で連携し、共に経済的に成長していく形を模索しています」
やはり新規ファン獲得には手応えを感じているようで、前向きな見解を示している。今季はリーグ第18節を終えた段階でホームゲームの平均観客数で1,785人を数えている。昨シーズンの1,879人には及んでいないが、最大のビッグマッチであるFC大阪との“生駒山ダービー”が9月に控えている。
純資産の金額だけに注目すると債務超過の一歩手前のように感じられるが、奈良クラブの現状は明るい話題も多い。