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Jリーグ 5か月前

「この状況を手放したくない」千葉寛汰はここからだ。清水エスパルスで戦える喜びを胸に「あれを決められる選手に」【コラム】

シリーズ:コラム text by 藤江直人 photo by Getty Images

「ちょっとイメージと違いました」

「シュートで少し力んでしまって。自分のなかでは、ちょっとイメージと違いました」

 利き足とは逆の左足だったが問題なかった。実際に思い切り、しっかりと左足を振り抜いた。しかし、千葉の述懐通りに力みが加わった一撃は、ウィリアムの正面へ飛んでキャッチされてしまった。

 間断なく雨が降るなかを2000人近くが駆けつけ、湘南ゴール裏のスタンドをチームカラーのオレンジ色に染めていた清水のファン・サポーターが思わず天を仰いだのがわかった。

「あそこで決めていたら今日は自分がヒーローだった。本当に悔しいし、力不足を感じました」

 自戒の念を込める千葉へ、秋葉監督は試合後の公式会見でエールを込めた言葉を残している。

「本人が一番悔しがっていましたし、わかっているはずだけど、仕留められるところでしっかりと決めれば先発するチャンスがさらに増えてくる。実際に惜しいところまでいっているので、あれを決め切れるように、エスパルスや日本を背負って立つ選手に成長するメンタリティーをもって日々トレーニングしてほしい」

 昨年7月にJ2の藤枝MYFCへ育成型期限付き移籍。今シーズンは背番号を「70」から「9」に変え、シーズンを通して藤枝の一員として戦う覚悟を決めていた千葉をめぐる状況は、6月に入って一変した。

 特にフォワード陣に怪我人が続出していた清水から届いた復帰要請。藤枝のクラブ公式ホームページで「このような形は想像していませんでした」と思いを綴った千葉は、清水への復帰をこう振り返る。

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