受け入れた現実「清水エスパルスで…」
「もう驚きしかなかったですけど、チームが戻すといえば戻る契約だったので、そこは受け入れました。決まった以上はエスパルスのために、エスパルスで自分の力を証明しようという気持ちになりました」
静岡市清水区で生まれ育ち、小学生年代のスクールからジュニアユース、ユースと清水のアカデミーで育った千葉は2022シーズンにトップチームへ昇格。ルーキーイヤーのFC今治を皮切りに、2023シーズンの徳島ヴォルティスと今治、昨シーズンの藤枝と育成型期限付き移籍を繰り返して武者修行を積んだ。
J2とJ3の舞台で、4シーズン半でリーグ戦78試合に出場。トータルで23ゴールを決めてきた過程で、身長178cm体重74kgの体にどのような武器を搭載してきたのか。千葉はこう振り返る。
「試合経験を積むなかで守備のところやポストプレー、チャンスメークと幅が広がったと思っています」
6月11日の松本山雅FCとの天皇杯2回戦で、後半開始から途中出場。古巣での再デビューを果たすと、J1リーグ戦では4試合続けて途中出場。プレータイムの合計が55分と限られたなかで、同21日の名古屋グランパス戦の88分には待望のJ1初ゴールをゲット。敵地・豊田スタジアムで清水を引き分けに導いた。
殊勲のゴールを決めた直後に、千葉は万感の思いを込めながらこんな言葉を残している。
「エスパルスでゴールを決めるために、これまで育成型期限付き移籍を繰り返してきました。自分としてはすごく大きな一歩だと思っているけど、同時にいまは『ここからだ』という気持ちでいます」
そして、湘南戦で復帰後初先発を手繰り寄せた。ボランチに熊本・大津高校卒のルーキー嶋本悠大、ゴールキーパーに梅田透吾とリーグ戦で出場機会のない選手を先発させた秋葉監督の狙いは明白だった。