フットボールチャンネル

Jリーグ 5か月前

「またダラダラして…」浦和レッズにのしかかる問題。それでも安居海渡は「正直、まだ優勝が狙える」と言う【コラム】

シリーズ:コラム text by 河治良幸 photo by Getty Images

「正直、まだ優勝が狙えると思う」

 高いシュート意識が生んだ同点ゴールも含めて「いいところは多くあったと思うんですけど…」と前置きしながら、安居は後半にチーム全体のパフォーマンスが落ちた1つの要因として「前半に比べたらボールを受ける回数も全然なかったなと思いますし、もう少し自分とサミュエル(・グスタフソン)のところをうまく使いながらもできたら良かった」と言及する。

 ボランチの2人に限らず、チームとしての体力が落ちたことに加えて、激しくプレッシャーをかけてくる東京に対して、うまく立ち位置を取り合って外したり、効果的にボールを運んでいくことができなかったことは確かだ。

 FC東京は4-4-2のシステムをベースとするが、守備は2トップの1人である佐藤恵允が少し落ちてボランチの高宇洋や橋本拳人と縦に挟むような形で、浦和のボランチをロックしてきた。

 前半は流動しながら外せるシーンも多かったが、後半は相手の守備にハマったまま、ボランチが触る回数も減少したことは今後の夏場の戦いも想定すると、体力面の問題だけで済ませる訳にはいかないだろう。

 ローブロックで守備を固めることが悪いわけではないが、そういう事案が長くなると、FC東京戦がそうであったように、クロスなどから失点するリスクが高くなることに加えて、安居が前に出てミドルシュートを狙えるようなシチュエーションも起こりにくくなってしまう。

「ここで一旦区切りをつけないと、またダラダラしていっちゃうのが見えるので、次こそしっかり勝ち点『3』を取って勢いに乗って、正直、まだ優勝が狙えると思うので、本当にそこに向けてやっていきたい」と決意を語る安居が、ここから何度もミドルシュートを決めるような流れを作れるほど、浦和の勝機は高まっていくはず。CWCで学び、自覚した明確な武器を錆び付かせないためにも、チームを好循環にさせるボランチ安居の働きかけも問われてくる。

(取材・文:河治良幸)

【関連記事】
浦和レッズは何を変えたのか【1】松尾佑介と渡邊凌磨は慎重に見極める。不安定さを解消したのは…【戦術分析コラム】
「やっぱりそれが…」浦和レッズ、松本泰志が払拭した“ある迷い”。ずっと意識していた「嫌だなと思うこと」【コラム】
クラブW杯で陥った悪循環。「予想してたんですけど…」グスタフソンは浦和レッズの問題点を指摘する【現地取材コラム】

【了】
1 2 3 4

KANZENからのお知らせ

scroll top
error: Content is protected !!