ファジアーノ岡山を支える藤田息吹の存在「それが自信にもなっている」

「松本山雅は走力や球際、守備などをチームとしての強みにJ1に昇格したチームだったんですけど、6年前にJ1に挑戦した時は強度や球際が全く通用しなくて、自分たちの得意としているところで相手に上回られてしまった。スタイルだけでなく、自分たちすら見失っているような時期も多かったんです。でも、今はそうではなくて。自分たちの目指すべきところはチームとして明確になっているし、あとは質や強度を求めていくだけだと思うので、しっかりと向かっていくことはできていると思います」

　サッカーは集団スポーツだ。誰かが迷いや不安を抱くと、それが伝播していき、一体感を持って戦うことは難しくなってしまう。チームとしても個人としても120％を発揮してこそ、食らいつくことができているのがチャレンジャーの現状である。それを続けていくには、自分たちを信じることが不可欠。そのことを当事者として体感している藤田の存在は、J1を戦い抜く上で非常に大きい。

　そして、「これまでずっと積み上げてきたものがチームの基盤にあって、それがJ1でも通用している部分が多くて、戦えていると思う。それが自信にもなっていると思います」と、これまで団結して勇敢に戦ってきた経験がチームの幹を太くしている。

　指揮官が「常に攻守でチームの基盤を築いてくれる選手」と全幅の信頼を寄せ、ディフェンスリーダーの田上大地も「いるのといないのでは、自分たちのボールを拾える回数が変わってくる。後ろから見ていても非常に助かるし、チームにプラスをもたらしてくれる選手」と慕う。そんな藤田がピッチの中央に君臨する限り、岡山は絶対に諦めることはない。

（取材・文：難波拓未）
　

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