Jリーグは理想に近い。抗うべき「ビッグクラブ」モデル
一部の人は「これは質が低い証拠で、どのクラブも日本で確固たる地位を築くことができていないのは、全体的に平凡なチームであることを示している」と主張するだろうが、それは主に現代の欧州の主要リーグの視点から生まれた意見だ。そこでは圧倒的な資金力があれば、必然的に長期的な成功を収め、財政的に恵まれない相手に対して優位に立つことができるとされる。
しかし、スポーツの本質は競争における肉体と精神の強さであり、選手と監督が努力や技術で相手を上回る姿であるべきだ。経済的な要素はその一因としてこの本質に影響を与えており、晩期資本主義理想においてはますます顕著になっている。しかし、理想的にはフットボールは財力によって不平等に汚されるべきではなく、公平な場で献身と能力によって勝敗が決まるべきだ。
Jリーグはその理想に近い。もちろん資金は重要だが、欧州ほど資本偏重ではない。そしてこの理由から、日本における「ビッグクラブ」モデルを推し進める動きにはどんな犠牲を払ってでも抗うべきである。そんな「私たち」と「彼ら」の分離を導入すれば、リーグの魅力の多くを損なうことになる。
実際、最近のJ1では、FC東京が浦和レッズを、鹿島アントラーズが柏レイソルをいずれも88分以降にゴールを奪って3-2で下し、湘南ベルマーレはセレッソ大阪と3-3の激闘を演じ、アビスパ福岡も京都サンガF.C.相手に93分と96分に2点を奪って2-2のドローに持ち込んだ。
このようなゴールラッシュや劇的なドラマ、予測不能な試合展開はJリーグの定番である。毎週、数チームだけが圧倒的に勝ち続けるリーグよりも、はるかに魅力的な環境である。
だからこそ、私たちは皆、今あるものに感謝し、早く本来の活気が戻ってくるのを待ち望むべきなのです。
(文:ショーン・キャロル)
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