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Jリーグ 5か月前

ガンバ大阪MF美藤倫は「何が正解かわからなくなっていた」。新たな家族を支えに、怪我は自分を見つめ直すきっかけに【コラム】

シリーズ:コラム text by 高村美砂 photo by Getty Images

「大学時代からの憧れ」山本悠樹と対峙して湧いた感情

「前半から悠樹くん(山本)が川崎の攻撃の起点になっているのは明らかだったので、自分が出たら、そこは強く(プレッシャーに)いきたいなと思いながら試合を見ていました。

 あの局面は、僕の方が途中出場でフレッシュだったのもありましたけど、局面の勝負にもグッと体を入れられたし、その瞬間、観客の皆さんもドッと湧いてくれて、自分の気持ちをさらに上げてもらった気がしました。サッカーをできる幸せ、あの空気をピッチで味わえる幸せを感じた特別なシーンでした」
 
 思えば、美藤にとって山本は、同じ関西学院大学出身で「大学時代から憧れていた人」。しかも、パナソニックスタジアム吹田での初対戦ということもあり、心の奥底には特別な感情も潜ませていたという。だが、ピッチに立った瞬間からそれらは全て封印し、ガンバが勝つことだけに気持ちを注いだ。
 
「敵としてピッチに立つ以上は、試合中は目も合わせられなかったし、挨拶もできなかったです。試合が終わってからは、もちろん挨拶もして『よかったな』と言ってもらいましたけど、改めて悠樹くんはうまいし、すごいなって思いました。

  
 と同時に『やっぱり負けたくない』という気持ちも湧いてきたというか。プロサッカー選手としては、僕の何段階も上をいく選手で、プレースタイルも違いますけど、同じボランチとして悠樹くんのいいところはこれからもしっかり盗みつつ、僕もガンバで、悠樹くんのような存在感を示せる選手になれるよう、もっともっと自分を高めていこうという思いがまた強くなりました」

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