「1からじゃなく、ゼロから」
「自分たちのゲームではなかったし、自分たちのサッカーを表現できなかった」とファンデンベルフ。
セットプレーからの3失点に限らず、秋田の得意な土俵に乗ったまま、流れも持って行かれてしまったことに関して経験豊富なCBは「正直みんな受身になったりとか、ちょっと消極的になったり、ボールを受けたがらなかったりとか。そういうネガティブなもので、流れを何も断ち切れなかったし、ずるずると90分が過ぎてしまった」と振り返る。
3週間ぶりの公式戦というエクスキューズはあるにしても、ここまでハッチンソン監督が辛抱強くチーム作りを進めてきても、簡単に崩れてしまうというのは未熟さを感じさせる。
ここから残り14試合で、セットプレーからこれだけやられる試合もあってはならないが、問題はそれだけではない。ファンデンベルフは「本当に1からじゃなくて、ゼロからきちっと見つめ直して、自分たちもできることをしっかりやらないといけない」と厳しい表情で語った。
この週末は上位陣がなかなか勝ち点を伸ばせず、首位を走る水戸ホーリーホックもアウェイでロアッソ熊本に2-1と敗れた。その水戸と勝ち点10、2位のジェフユナイテッド千葉とは勝ち点4差の磐田としても、数字上は逆転優勝も自動昇格も可能だが、もう秋田戦のような試合は許されないだろう。
ファンデンベルフが加入したことで、最終ラインに局面の強さが加わっただけでなく、攻撃面でも鋭い縦パスや先制点の起点になった展開力など、少なからずプラス面は見られる。しかし、そうした個人のところだけでなく、チーム全体に喝を入れられるリーダーシップこそ、ここから磐田を良い方に変えていくために、最も期待される役割かもしれない。
(取材・文:河治良幸)
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