「神戸の『13番』に恥じないような選手になりたい」

「自分のなかでは『13番』に関してあまりプレッシャーを感じていなかったんですけど、すごい方々がつけていたんだとあらためて実感しました。リーグ戦の残り13試合で自分にできる最大限のプレーをチームに還元していくなかで、神戸の『13番』に恥じないような選手になりたい。いまはそう意識しています」

　再開初戦となる町田戦で一敗地にまみれた神戸は、今シーズンで初めて立った首位を1節で鹿島アントラーズに明け渡し、さらに柏レイソルにも抜かれた。もっとも、両チームとの勝ち点差はわずか1ポイント。4位以下には1差で京都サンガF.C.が、3差で町田が続く大混戦で下を向いている時間はない。

「町田の熱量のすごさを感じていましたけど、僕たちもこの試合をすごく大事だと、今後を大きく左右する一戦だと位置づけていた。お互いに先制点が大事だと考えていたなかで、先に失点した後にどれだけポジティブに、もう一度積極的にいけるかどうか、という点が今日の試合で出た課題になりました」

　昨シーズンから数えて、リーグ戦で通算4戦目にして町田に喫した初黒星から得た教訓をこう明かした佐々木は、降格圏にあえぐ横浜FCをホームに迎える16日の次節へすぐに視線を切り替えている。

「この時期での2連敗はかなり痛くなるし、絶対に許されない。しっかりと気を引き締めて、今日みたいなゲームを生かせるようなチームの雰囲気作りをもう一度最初からやっていきたい」

 
　今シーズンのリーグ戦での町田戦を1勝1敗で終えた神戸だが、ともにベスト8に進出している天皇杯を勝ち進めば、11月22日に国立競技場で行われる決勝で対峙する。菊池へ投げかけた「ヘイ、君、強いヨ」は、頂上決戦が実現したときには「次は負けないヨ」というリベンジ宣言に変わるかもしれない。

（取材・文：藤江直人）

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