「とりあえず数字を残せたのはよかった」
「結果を出さないと生き残れない厳しい世界で、危機感といったものがありました。最近は出番も少なくて体力的にも試合勘的にも難しい部分があったなかで、とりあえず数字を残せたのはよかったかなと」
内田自身は64分に中山との交代でベンチへ下がった。試合は81分に森島が獲得したPKをボランチの稲垣祥が決めて名古屋が逆転に成功。そのまま逃げ切り、鬼門と化していた味の素スタジアムで、2015年5月23日のFC東京とのJ1リーグ・1stステージ第13節以来、実に10年ぶりの勝利をあげた。
監督と選手としての関係が7年あまりにおよび、厳しい指導方針や性格を含めて、お互いを知り尽くす長谷川監督から、試合後に何を言われたのかはよく覚えていない。記憶をたどりながら「ナイスゴール、くらいは言ってくれたかな」と再び苦笑した内田は、今後の戦いへ気持ちを新たにしている。
「自分が中に入ったときに縦パスが入って、前を向けたシーンが何回かあった点で、WBとしての幅という部分では広がったんじゃないかなと。もちろん見直すところもありますけど、自分が決めたゴールで追いついて、最後は逆転して勝てたのが、自分のなかでは次につながる部分だと思っています」
27日の準々決勝では、リーグ戦で2戦2勝のサンフレッチェ広島と対戦する。残り13試合となった段階で16位と苦戦しているリーグ戦を含めて、献身的かつハードワークを厭わないプレーを身上とし、ピッチを離れれば牧歌的な雰囲気を漂わせる内田は「これでケチャドバになれば」と決意を新たにしている。
(取材・文:藤江直人)
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