フットボールチャンネル

Jリーグ 4か月前

「あの子なりに」高井幸大は人知れず苦労していた。横浜F・マリノスと川崎フロンターレの狭間で…「だからCBで育てたい」【コラム】

シリーズ:コラム text by 江藤高志 photo by Getty Images

横浜F・マリノスに進むと思われていた高井幸大はなぜ川崎フロンターレに?

「高井はマリノススペシャル、マリスペに入ってたから(だからマリノスに進むと思っていた)」

 当時をそう振り返る佐原コーチは、川崎U-12のセレクションを受けに来た高井の合格をすぐに決めたという。

「だけど、高井はフロンターレのセレクションを受けに来た。だから先に合格を出そうと」

 マリノスの機先を制すれば川崎U-12を選んでくれる可能性も増えるのではないか。それだけの評価をして合格通知を出した高井は期待通り川崎U-12に加入。指導陣の狙い通りの結果となったが、高井がマリノスプライマリー(U-12)に進まなかったのは「落ちたから」だという。

 日常的に指導していたマリノスが高井を選べず、川崎U-12に進むのだから人生分からないものだが、これはアカデミーの優劣というよりも、育成年代の選手の才能を見抜くことの困難さを示していると考えるべきであろう。

 ちなみに当時、フォワード(FW)だった高井をセレクションの場で見た佐原コーチはディフェンダー(DF)として育てようと思ったのだという。

1 2 3 4 5

KANZENからのお知らせ

scroll top
error: Content is protected !!