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Jリーグ 4か月前

「あの子なりに」高井幸大は人知れず苦労していた。横浜F・マリノスと川崎フロンターレの狭間で…「だからCBで育てたい」【コラム】

シリーズ:コラム text by 江藤高志 photo by Getty Images

「自分もそうやって…」家長昭博は自身の経験を元に話す

 ただその一方で選手生命はそう長いものではない。また、トッテナムでポジションを掴めば、W杯へのメンバー入りの可能性は飛躍的に高まる。高井がこれまでに超えてきたハードルを考えると、さらにレベルの高い環境に身を置くことで自らのレベルアップを図ったという事も言えるのだろう。その挑戦を見守りたいと思う。

 なお、高井の移籍に関連し、家長昭博は自らの経験を元に、若い選手は世界に出ていくべきだと話す。

「(海外移籍は)当たり前になったと思いますし、自分もそうやって外に出た経験もありますし。どんどんチャンスがあるなら出るべきだと思います」

 好むと好まざるとにかかわらず、Jリーグは欧州の各国リーグへの選手供給地になっていく未来が待っている。実際に近年の若手選手たちは将来的な海外移籍の夢をオープンに語っており、そのルートも確立されてきている。フル代表の主軸選手のみが対象だった一昔前の海外移籍は、新卒選手の進路先としても選択肢に入るまでに一般化。リーグのレベルにこだわらなければ世界中どこででも契約できる環境がサッカー界にはある。

 レベルが低すぎるところとの契約では次のステップに繋がらないリスクがある。その一方で、身の丈に合っていないクラブとの契約では飼い殺されかねない。

 まずは試合に出ることを最優先させつつ、絶妙な落とし所が求められることになる。

(取材・文:江藤高志)

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【了】
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