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Jリーグ 4か月前

「ここから優勝するためには…」松本泰志が語るタイトル獲得に必要なこと。浦和レッズは残りのシーズンをどう戦う?【コラム】

シリーズ:コラム text by 元川悦子 photo by Getty Images

「急だったんで、アップせず入りました」

 ご存じの通り、今季サンフレッチェ広島から加入した彼は、開幕から4月半ばまでトップ下の主軸を担っていたが、松尾佑介の台頭もあって、その後は2列目とボランチのバックアップという位置づけにとどまっていた。クラブW杯も3試合続けて後半出場。十分な時間を与えられず、本人も見せ場を作れず悔しい思いをしたに違いない。

 さらにJ1再開後は小森が1トップに定着。攻撃ユニットが固まり、ボランチもサミュエル・グスタフソンと安居海渡が鉄板コンビを結成しているため、松本は長くても25分程度ピッチに立つだけになっていた。

 そんな背番号6が前半から60分以上の長い時間を与えられるのは、5月21日の川崎フロンターレ戦以来。「急だったんで、アップせず入りました」と本人もバタバタしながら登場。流れに乗ることを心がけたという。

 その直後の32分にマテウス・サヴィオの2点目が生まれる。このシーンは金子拓郎が奪ったFKが発端で、最終ラインのパス回しから再び金子が右サイドで2枚のマークをドリブル突破。左から飛び込んだマテウス・サヴィオにつながった形だが、松本は金子がドリブルで敵を剥がそうとした瞬間、最終ラインの三國を釣るフリーランニングをして、スペースをうまく空けていた。

 このように目立たないものの、攻撃陣を円滑に回す仕事を瞬時にできるのが、彼のよさ。本人もそれを意識的に行っていたという。

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