「相手の2ボランチに負けなければ、試合には負けない」
井上は水戸の4-4-2をベストとしたタイトなプレスに対して、うまく周りの選手からボールを引き出しては相手を引き付けて、次の受け手に時間とスペースを与えた。
水戸は大卒生え抜きの左利きMF大崎航詩と6月にFC東京から加入して、中盤に強度をもたらしている塚川孝輝が2ボランチを組んだが、井上は試合前から、中盤でコンビを組む上原力也と「相手の2ボランチに負けなければ、試合には負けない」という話をしていたという。
基本的に上原とうまく関係を作りながら、状況に応じてトップ下のグスタボも下がって絡む。その時は上原か井上が前に出ていく。井上は「(上原と)どっちかが下がったら、どっちかが前に行くという。空いてるスペースを探しながら、(グスタボも含めて)3人の関係性はすごく良かったと思いますし、相手もすごいやりづらかったと思います」と語る。
先制シーンの流れでは井上を起点に右サイドバックの為田大貴がボールを持つと、井上がワイドに流れることで水戸の守備を同サイドに動かして、最終ラインの回しからリカルド・グラッサが縦パス。そこにグスタボが飛び込む形で水戸の守備を破り、最後はGK西川幸之介の背後を突いたグスタボが、無人のゴールに流し込んだ。