「すごいチャンスだったんですけど」

「こないだの福岡戦、ああいう負け方をして。うちとしてはそういう次の試合って大事に考えてて」

　2人の退場者を出したとしても大敗は大敗。それでも大勢のサポーターがアウェイの新潟で川崎を後押してくれていた。そんな試合を勝ちきれなかった不甲斐なさに、伊藤は落胆の色を隠さなかった。

「ファンの人も応援してくれてたし、自分たちの姿を見せるという意味ではすごいチャンスだったんですけど、こういう結果に終わったのはすごく残念です」

　ちなみに言い訳はたくさんある。ピッチコンディションは良くなく、その芝に散水することで川崎の選手たちはボールコントロールに苦労した。出場停止や、大小のケガなどもありフィールドプレイヤーは人数が足りず、ベンチにはGKが2選手その名前を連ねた。

　そうした言い訳はあるのだが、伊藤は「もちろん。主力の選手がケガとかで居なくて、累積で居ないのはもちろんしんどいですけど、そういう試合はシーズンの中であるので」としつつ「それでも今日、勝てたと思っているので。悔しいです」と引き分けを悔やんだ。

　そんな伊藤に「だからこそ、もっともっと強くなっていかないといけない、ってことですかね」と問いかけると「そうですね」と答えてくれた。強くなることは、難しい。それでも強くなっていくしかない。

（取材・文：江藤高志）

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