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Jリーグ 1週間前

「お前は今、始まったんだ」川崎フロンターレの大先輩が涙する土屋櫂大に声をかけた。残酷なデビュー戦のエピローグ【コラム】

シリーズ:コラム text by 菊地正典 photo by Getty Images

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 明治安田J1リーグの第5節、延期分として開催された川崎フロンターレ対横浜F・マリノスは3-3の引き分けに終わった。合計6得点という壮絶な撃ち合いとなったこの試合、そのうちの半分は89分以降に生まれたもの。土屋櫂大は自分が投入された直後に連続失点したことに責任を感じ、試合終了の笛とともに涙した。(取材・文:菊地正典)

超過密日程の中でチャンスが巡ってきた土屋櫂大

土屋櫂大
【写真:Getty Images】

 溢れる涙を自制することはできなかった。川崎フロンターレと横浜F・マリノスがしのぎを削った神奈川ダービーの最終スコアが決まったのは、90+10分。3-3で試合終了のホイッスルが鳴ると、ピッチにいた選手の多くが立ったままではいられなかった。誰一人、笑顔を見せない。

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 そんな中、泣きじゃくっていたのは、土屋櫂大だった。

 土屋はU-13から川崎に在籍し、この3月に高校を卒業したばかり。常連となっているU-20日本代表にはつい先日まで学ラン姿で合流していた18歳のルーキーだ。

 両者ともにAFCチャンピオンズリーグエリート(ACLE)のラウンド16を戦っていたため、延期されていた今回の神奈川ダービー。FC町田ゼルビア戦から中2日で迎えた一戦で川崎はメンバー20人中9人を入れ替える。今季ユースから昇格したばかりの土屋にもメンバー入りのチャンスが巡ってきた。

 出場できるかもしれない。マリノス戦に向けたトレーニングで感じた気持ちを「絶対にピッチに立つ」と変換させ、土屋は少ない準備期間をこの試合のために費やした。

 出番が訪れたのは88分。2-1でリードした試合終盤だった。1-1の状況で強烈なミドルシュートを決めたセサル・アイダルが足をつったのか、プレー続行不可能になると、土屋は長谷部茂利監督に呼ばれた。
 

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