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Jリーグ 4か月前

「探して見つかった答え」一美和成の可能性を広げた指摘。本能と知性。ファジアーノ岡山で「研ぎ澄まされている」【コラム】

シリーズ:コラム text by 難波拓未 photo by Getty Images

「一美は頭が良い」「チームとしても良い流れになる」

「一美は頭が良い。相手ボランチを消しながら、行けると思ったらプレスに行って、後ろの選手を押し出してくれてボールを奪うシーンもありました。その辺は賢くできているし、喋りながらできるのもやっぱり大きい。奪った後のボールがロングパスじゃなくなってきているのは、中間ポジションを取ってくれる一美のおかげでもある。しっかりと収めて、味方に預けてくれるので、チームに良い流れをもたらしてくれています」(江坂)

「守備もすごく献身的で、攻撃もうまく間で受けて落とすなど起点になるプレーをしながら、チーム全体でボールを前に運んでいけるのがイチの良さだと思います。前線の選手は自分の前を見がちだと思うけど、頭を越えた後に戻ってきて、シャドーの選手と一緒に圧縮してくれると、ボランチとしてはすごく奪いやすくなる。そういったところはよくやってくれると助かるし、チームとしても良い流れになるのかなと思います」(藤田息吹)

 一美自身も、「前半のうちに前からどんどんプレスを掛けて、良い形で点を取れて、後半に繋げていくといった自分たちのサッカーができていると思うので、それを次の試合も続けていきたい」と、現在の戦いに手応えを得ている。それと同時に、柏戦ではチーム最多の6本のシュートを放った。攻守両面でチームを助けつつ、自らも血気盛んにゴールを狙っていたのだ。

「プロになったセンターフォワードでもう1度、勝負したい」。1年前に強い覚悟を持って雉のエンブレムを胸に宿した背番号22は、ストライカーとしての本能とチームプレーヤーとしての理性を携えて、J1の舞台で戦いの先陣を切る。

(取材・文:難波拓未)

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【了】
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