9位:川崎フロンターレ
監督:長谷部茂利
暫定順位:8位
成績:勝ち点「39」/得失点「9」
今季から長谷部茂利監督が率いる川崎フロンターレは、直近2年間と同様に中位で今シーズンを終えそうだ。
鬼木達監督の黄金期はサイクルを全うし、当時のチームを支えた守田英正や三笘薫、田中碧らも欧州に渡ってから久しい。
そして彼らと同様に、次々と台頭する有望株も今夏の移籍市場で海を渡った。
昨年夏からベルギー1部リーグのルーヴェンにローン移籍中だった大南拓磨には買い切りオプションが行使され、サッカー日本代表DF高井幸大は多額の移籍金で強豪・トッテナムに加入。昨季のリーグ戦で19得点をあげた山田新はセルティックへの移籍を決断した。
タレントを輩出し続けるチームの新体制は、リーグ連覇を2回成し遂げた国内屈指の強豪というよりも、改めてチャレンジャーとしての道を歩んでいるように見える。
スター選手と渡り合ったAFCチャンピオンズリーグエリート(ACLE)での戦い方を振り返っても、長谷部監督のチームはポゼッションを捨てきる選択肢も持っている。
アル・ナスルやアルアハリ・サウジのような海外の格上だけでなく、リーグ戦第2節・柏レイソル戦や第7節・FC東京戦では相手のほうがボール支配率は上だ。それでいて、FC東京を3-0で下している。
気がかりなのは夏の移籍市場で加入した新戦力。クロアチアの名門ハイデュク・スプリトから移籍してきたフィリップ・ウレモヴィッチはデビュー戦(第25節・対アビスパ福岡)でいきなりレッドカードをもらって退場。世代別のセルビア代表経験を持つラザル・ロマニッチも現時点では未知数だ。
2年連続で8位に落ち着いているチームは、現在も再建を図っているところだ。智将の舵取りにも注目が集まる。
