菊池流帆が思いを込めた言葉は合言葉になっていった
「ここから19連勝しよう!」
町田は5月31日にホームの町田GIONスタジアムでマリノスに0-3の完敗を喫し、前半戦の19試合を終えた。7勝4分け8敗の勝ち点25は、首位の鹿島に15ポイントもの大差をつけられる10位。黒田体制になって3シーズン目で、J2時代を含めて初めて3連敗を喫したチーム状態はどん底に近かった。
だからこそ、代表ウィーク明けの湘南ベルマーレ戦から始まる後半戦で、昨シーズンにマークしたクラブ記録の4連勝を大きく更新する逆襲が始まるとは、当初は菊池を除いた誰もが予想していなかった。
その菊池は19連勝に込めた思いを「後半戦は19試合あるじゃないですか。それを全部勝って優勝するんです」と真顔で説明する。荒唐無稽に映る目標に言霊が宿っていったのか。あるいは、菊池が放つ熱さが仲間たちをも巻き込んだのか。時間の経過とともに「19連勝」は合言葉になっていった。
湘南に続いて鹿島をともに2-1のスコアで撃破すると、アルビレックス新潟、清水エスパルス、東京ヴェルディにすべてクリーンシートで勝利。菊池も清水戦、ヴェルディ戦と2戦連続でゴールを決めた。
そして、連勝を5に伸ばしたヴェルディ戦翌日の7月21日。町田GIONスタジアムで行われたゼルビアファンフェスタで、19連勝という目標に懐疑的な言葉を漏らした黒田監督へ菊池がこう言い放った。