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Jリーグ 3か月前

菊池流帆が新たな目標をぶち上げた。「監督、何を弱気になっているんですか?」。FC町田ゼルビアを巻き込む合言葉に【コラム】

シリーズ:コラム text by 藤江直人 photo by Getty Images

「監督、何を弱気になっているんですか」

「監督、何を弱気になっているんですか。ビビっているんですか?」

 次の瞬間、黒田監督までもがその気になった。菊池によれば、指揮官はこんな言葉を返してきた。

「神戸に勝ったら(19連勝は)あるかな」

 夏の中断期間明け初戦となる8月10日の神戸戦。町田はリーグ戦3連覇を狙う難敵を2-0で撃破し、昨シーズンから数えて4度目の対戦で初勝利をゲット。試合前のミーティングでキャプテンのDF昌子源が「このまま19連勝しよう。優勝しよう」と檄を飛ばした続くセレッソ大阪戦でも3-0で快勝した。

 そして、中3日で迎えた前出のガンバ戦。昌子のゴールで先制しながら61分に同点とされ、J1リーグ記録に29年ぶりに並ぶ6試合連続完封勝利を逃した町田は終盤に連続ゴールをゲット。連勝を8に伸ばし、キックオフ前の時点で首位だった京都サンガF.C.を抜いて暫定首位へと浮上した。

 町田が首位に立つのは4月6日の第9節以来、136日ぶりだった。直後から不振に陥りながら、驚異的なV字回復で再び優勝戦線に割り込んで迎えたマリノス戦前に、今度は黒田監督が動いた。菊池が言う。

「試合前のミーティングで『シュートを打たれている』と僕たち3バックがすごく怒られました。ガンバ戦は(谷)晃生のセーブがあったからこそ勝てたようなものだったので」

 町田が掲げるクリーンシートは、相手にシュートを打たせない展開が大前提となる。その意味で後半だけで8本ものシュートを浴びたガンバ戦を省みて、勝って兜の緒を締める必要があった。菊池が続ける。

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