アジア制覇組が見せた自信と冷静さ
リオデジャネイロ五輪出場メンバー発表の2日前、U-23南アフリカ代表との一戦を終えたU-23日本代表の面々は揃って「あとは手倉森さんに任せるだけ」「もう待つしかない」「あとは待つだけ」と祈る気持ちを口にした。
選手たちにとっては最後のアピールの場となった試合を手倉森誠監督は「ゲームの入り、身体能力の高い南アフリカに少し冷や汗をかかされたシーンが続きましたが、相手のストロングをしっかり受け止めて、ウイークを探りながらゲームを進めていったコントロール力が良かった」と振り返る。
また序盤に不運なPKで失点してしまったが、「前半のうちに逆転できたところというのも、失点で相手がひるんだところで畳みかけるあたりは、流れを読みながらゲームをできるようになった」と選手たちの成長を評価した。
これには浅野拓磨も同調する。「先制点を奪われないことが一番いいですけど、そこで慌てない精神というのはついてきている」と逆転勝利が自信になったようだ。
アフリカ人相手にフィジカル勝負で一歩も引けを取らなかった植田直通も「なかなかやるなと最初は思いましたけど、徐々に自分たちのペースに持っていけました。点数入ってうちが勝ち越せたので、相手にダメージは大きかったと思うし、ポンポンと点が取れたのでそこはよかった」と手応えを口にした。
彼らのように現在のU-23代表がU-21代表だった頃から長くともにプレーしているメンバー、特に今年1月のAFC U-23選手権でアジアを制したメンバーは安定感と自信に満ち溢れている。
植田は屈強な南アフリカの選手をフィジカル勝負で圧倒したことについて「元から負けることはないと思っていましたし、今日の相手は弱かった」と語る。一方で「最初はすこし様子見で引いていた部分もあったので、そこで相手にいいようにやられていた。もう少し早く僕の方でも判断して、もっと前の方に声で指示できればよかった」と冷静に課題を分析している。
大島僚太は「攻撃だったらこのチームは縦に速いサッカーをするので、ワンタッチの精度であったり、前に入る選手がいるのを見逃さないことが大事。守備は球際だったり、より前の選手を動かす声だったりが必要」と攻守両面の課題を的確に指摘した。