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Jリーグ 7か月前

「その1本、俺がいきたいんです」山根陸にはやるべきことが見えている。横浜F・マリノスに自信をもたらすのは、俺だ【コラム】

シリーズ:コラム text by 菊地正典 photo by Getty Images

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 明治安田J1リーグの第14節、横浜F・マリノス対柏レイソルが14日に日産スタジアムで行われ、アウェイの柏が0-2で勝利した。またも勝利を手にすることができなかったマリノスは、これでリーグ戦5連敗。そんなチーム状況の中で、清々しい表情を見せた選手がいる。山根陸はマリノスを変えようとしている。(取材・文:菊地正典)

試合終了後に見せた山根陸の印象的な表情

山根陸
【写真:Getty Images】

 まるで鬼だ――。日産スタジアムの記者席から双眼鏡を通して21歳の表情を見たとき、背筋が寒くなるような感覚を覚えた。

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 両チームの選手たちがセンターサークルに集まる。試合開始前ではない。試合終了後のことだ。それなのに山根陸は、これから戦に向かうような表情を見せていた。

 2025年5月14日に行われた柏レイソル戦。横浜F・マリノスは0-2で敗れた。“また”負けた。マリノスがリーグ戦5連敗を喫するのは、2008年以来のこと。

 17年前というのは、山根がちょうどサッカーを始めたころだ。当時、幼稚園の年長だった子どもが今年22歳を迎えるほどの年月である。

 クラブにとってそれだけ屈辱的な出来事なのだから、選手たちが下を向いてしまうのも仕方ない。

 山根は違った。鬼のような形相でチームメートとハイタッチし、一人ひとりの耳元に口を寄せて何かを伝えていた。センターサークルでのあいさつを終えた後も、ベンチメンバーやスタッフ全員とのハイタッチを終えるまで視線を落とさない。ベンチに戻る直前には、前をトボトボと歩く選手の肩を叩いた。

 何を思っていたのだろう。チームメートに何を伝えたのだろう。何故あんな表情をしていたのだろう。

 それから1時間ほどが経ち、表情に青年らしさを取り戻していた山根は、少し考えた後に苦笑した。

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