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清水エスパルスは16日、天皇杯JFA第105回全日本サッカー選手権大会・3回戦で湘南ベルマーレに延長戦の末1-0で勝利した。清水復帰後初の公式戦先発を果たした千葉寛汰は、決定機を逃した悔しさを口にしながらも、指揮官の期待を背負い、自らのゴールでチームを救う覚悟を新たにしている。(取材・文:藤江直人)
公式戦初先発の千葉寛汰に訪れた決定機

【写真:Getty Images】
延長戦の末に手にした勝利の余韻が残る、敵地レモンガススタジアム平塚のロッカールーム。清水エスパルスの千葉寛汰は、秋葉忠宏監督からかけられた短い言葉をしっかりと受け止めた。
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「あれを決められる選手になってほしい」
16日に行われた湘南ベルマーレとの天皇杯JFA第105回全日本サッカー選手権大会・3回戦。清水へ復帰して公式戦6試合目で待望の初先発を果たした千葉も、両チームともに無得点で迎えた53分に訪れた“あれ”を悔しさとともに脳裏に焼きつけていた。
バックパスを受けた湘南の新守護神ポープ・ウィリアムとの距離を、1トップで先発していた千葉が素早く詰める。しかも、清水のアカデミー育ちの22歳は、ある青写真を描きながらプレスをかけていた。自身から見て右側のコースを意図的に空け、そこへパスを誘うようにウィリアムへプレッシャーをかけた。
案の定と言うべきか。次の瞬間、ウィリアムは右側へ短いパスを送るプレーを選択した。しかも、慌てていたからか。あるいは、横浜F・マリノスから加入直後でまだ連係が取れていなかったからか。ボールは味方の選手ではなく、清水のダブルシャドーの一角を形成していた中原輝の真正面へ飛んでしまう。
中原はすかさずゴール正面にいた千葉へボールを託す。予期せぬ展開に湘南の選手たちの対応が遅れる。対照的に千葉は、トラップからシュートを放つまでのイメージを完璧に思い描いていた。
「自分がまずプレッシャーをかけて、次で奪えた点で本当に狙い通りでした。自分のプレスもよかったし、パスを受けてからシュートを放つまでのイメージも悪くはなかったんですけど……」
湘南のDF大野和成を背負いながら、中原からのパスを受けた千葉は時計回りにターン。千葉によれば、パスのコース次第で左右のどちらにでもターンできる体勢を整えていたという。
ここまでは青写真通りだった。しかし、画竜点睛を欠いてしまったと千葉は悔やんだ。