メッシはなぜ止められないのか? 小さくても倒れない“最強ドリブル”の秘密に迫る

ブラジルW杯でベスト8に進出したアルゼンチン。エースのメッシも好調で、チームを牽引している。メッシと言えば、わかっていても止められないドリブル。なぜいとも簡単にDFを抜けるのか? 『サッカー好きほど知らない戦術の常識』(カンゼン)の中で清水英斗氏が分析している。

2014年07月03日(Thu)11時06分配信

text by 清水英斗 photo Getty Images
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0・5拍のリズム感

メッシはなぜ止められないのか? 小さくても倒れない“最強ドリブル”の秘密に迫る
リオネル・メッシ【写真:Getty Images】

 メッシは、タイミングの取り方がどの選手よりも細かい。どう細かいかというと、たとえば、ふつうの選手が「タン、タン、タン」と一拍のリズムで動くところを、メッシは0・5拍で「タ・タン、タ・タン、タ・タン」と刻んで進むようなイメージだ。

 この細かいリズムにより、メッシは相手が1歩を踏み出している途中のタイミングでサッと逆に切り替えしたり、シュートを打ったりするものだから、マーカーは付いていけない。このリズム感こそが、メッシの最大の武器だ。

 このようなリズムを生む要素はいくつかある。一つは、歩幅の短さ。二つ目は、ドリブルタッチの細かさ。そしてもう一つ特徴的なのは、ドリブルをする際に、ボールタッチと歩みが同じ動きの中で行われていることだ。

 非常に興味深いことに、メッシのドリブル姿勢からボールを取り除くと、ほとんど走っている姿と変わりがない。ボールタッチしながら常にスムーズに一歩を踏み出せるため、走る姿勢にノッキングがなく、ボールタッチしても走るスピードが落ちない。

 言うなれば、1人だけラグビーボールを持ちながらスイスイとスラロームするような感覚でドリブルしているようなものだ。そういう選手がチームにいれば、これはもう、サッカーの規格外と表現する他ないだろう。

 また、これはメッシに限ったことではないが、ドリブルタッチもインステップやアウトサイドなど、スムーズに動かせる部位を使っている。もしもインサイドがドリブルタッチの中心になっていたら、あの滑らかさは実現できない。インサイドは最も面積が広く、安定したキックやコントロールに使える場所だ。

 しかし、つま先を外側へ広げるため、人間の立ち姿としては不自然な格好になり、そのまま前には進みづらい。そこでドリブルにはインステップやアウトサイドを中心に使い、単純なタッチの細かさだけではなく、走りを邪魔しないスムーズなドリブルを実践している。

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