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香川真司 10年前

「正真正銘の希望の星」。エース香川の帰還に歓喜するドルトムント。「欧州でもめったに現存しないクオリティー」

ついにドルトムントへの復帰を果たした香川真司。ドイツ国内では、大きな注目が集まっている。ロイスやムヒタリヤン、インモービレらとともにチームの攻撃を完全なものとする存在として期待も高まる。

text by 本田千尋 photo by Getty Images

シャビ・アロンソのバイエルン移籍を上回るインパクト

 ビザの更新の日だった。私事で恐縮だが、9月4日、滞在許可の延長申請で外国人局に出向いた。ドイツ人の担当官はこちらの職業を知ってか、途中で手を休めて、ふと呟いた。

「…そう言えば、マンチェスターからドルトムントに、誰か日本人が戻ってきたよな。シン…カガ…名前は何だっけ?」

 8月31日にボルシア・ドルトムントが公式HPで香川真司のマンチェスター・ユナイテッドからの復帰を発表してからと言うものの、連日メディアの中に「Kagawa」の文字を見ない日はない。

 より正確に言えば、香川の移籍がドルトムントから正式に発表される数日前から、「Kagawa」の文字が大衆紙ビルトなどで多かれ少なかれ紙面に浮かび上がるようになった。

 3日付のスポーツ専門誌シュポルトビルトの表紙を飾ったのは香川真司である。4日付のキッカー誌では、アルゼンチン代表とのテストマッチでドイツ代表の敗戦を伝える一面には、大きくはないが「Kagawa」の文字と黄色いユニフォームを手に持つ香川の写真が掲載された。

 また4日付のルール地方の地元紙レヴィア・シュポルトの一面には、トレーニング中のイルカイ・ギュンドアンの姿と「BVB:イルカイ・ギュンドアン、彼の旧知の隣人シンジ・カガワについて」の文字が踊っている。

 期限が閉じる寸前にはシャビ・アロンソのレアル・マドリーからバイエルン・ミュンヘンへの電撃的な移籍もあったが、今夏の移籍市場では、香川の帰還がドイツ国内で最も大きなインパクトを残したと言っても過言ではない。ここ数日の間に、誰もがどこかで一度は「Kagawa」の名を目にしたはずだ。

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