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香川真司 9年前

香川の言葉で振り返る前半戦。徐々に膨らんだ違和感、チームは奈落へ。それでも残された復調への希望

text by 本田千尋 photo by Getty Images

本格的な危機へと滑り落ちる

 香川はあくまで「ポジティブ」だったが、ドルトムントはこの先HSV戦から11月1日の第10節バイエルン戦まで、4連敗を喫する。泥沼にハマった。その間の勝利は、10月22日、CLグループD第3戦のガラタサライ戦だけである。

 ガラタサライを相手にして4-0の快勝の後で、香川は「戦い方は相手も、ブンデスとCLでは大分違いますし、CLは基本的に前に出て来るチームが多い。ブンデスのチームは、あまりそういうイメージはないですね」とコメントを残した。

 引かれたときの戦い方に課題、難しさを「凄く感じている」という。ブンデスリーガでの対戦相手への違和はいよいよ、本格化しつつあった。

 そんな中で香川は、コンディションは依然として「パーフェクト」ではなかったが、「結果への執着心は(本田)圭祐みたいに」、「自分の思考をもっとゴールに向けていく必要もある」と、復調の手応えとはまた別の、新たな闘志を前へと向けていた。

 しかしドルトムントは、生温い泥沼の底をさらに抜け落ちて、本格的な危機の奈落へと滑り落ちていく。

「勝てないという状況はやはり凄く苦しかった」中で、11月9日第11節のボルシアMG戦でチームは必死に1-0で勝利を手繰り寄せたが、また中断期間を挟んだ22日第12節パダーボルン戦では痛恨のドロー。

 そして30日第13節でフランクフルトに敗戦し、最下位に転落した。そして香川は、74分にピッチを退いたそのフランクフルト戦を最後に、リーグ戦では先発の座から遠ざかる。

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