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香川真司 9年前

ドルトムント、3発完勝も選手は「辛勝だった」…指揮官が懸念した“番狂わせの可能性”

ドルトムントは現地時間22日、ヨーロッパリーグ(EL)グループステージ第3節でアゼルバイジャンのガバラFKと対戦した。格下相手とのアウェイ戦だったが、日本代表MF香川真司の1アシストもありピエール=エメリク・オーバメヤンのハットトリックで完勝を収めた。しかし、選手の反応は意外にも正反対だった。トーマス・トゥヘル監督も、“番狂わせの可能性”を懸念していたという。

text by 本田千尋 photo by Getty Images

結果は完勝。しかし選手は「辛勝だった」

ドルトムント、3発完勝も選手は「辛勝だった」…指揮官が懸念した“番狂わせの可能性”
ハットトリックを達成したピエール=エメリク・オーバメヤン【写真:Getty Images】

 結果に対するロマン・バイデンフェラーの受け止め方は、ゴールに対するピエール=エメリク・オーバメヤンの感触とは違ったものだった。

「辛勝だったよ」

 2015年10月22日、約3300kmを越えてボルシア・ドルトムントはガバラFKと戦う。ヨーロッパリーグ(EL)のグループC第3節は、アゼルバイジャンのアウェイで行われた。欧州の果て、ドイツとの時差は2時間ある。

 序盤にBVBは何度かピンチを招いた。4分、フンメルスがギンターのスローインを後逸したのを皮切りに、5分にリカルジーニョが左サイドからアーリークロスを送る。ゼニオフのヘッドは右に逸れた。6分、ツートップの左アントノフが潰れながらパスを出す。右サイドのパク・チュホの裏をゼニオフが抜け出した。同時に飛び出した左SHのドドに折り返す。ゴール前でギンターが辛うじてクリアした。

 ガバラFKがBVBに対して採った戦術は、シンプルなものだった。4-4-2で自陣に構え、左右にスピードのあるSHを置く。ツートップはフンメルスとソクラティスの2CBにプレッシング、もしくは香川とギュンドアンの両サイドハーフをマークする。そしてまた速攻の起点になる。

 今季のドルトムントは両SBが高い位置を取る傾向にある。粘り強い守備から、ガバラFKはSHのスピードで相手SBの裏を突こうとした。4分のフンメルスの後逸を生んだのは、ツートップの右ペレイラのプレスだった。

 10分には、ガイが右サイドのハーフウェーライン付近からゴール前に送ったボールに、ドドが抜け出す。浮かせてバイデンフェラーを越えたボールは、ラインを割る寸前でギンターがクリアした。

 BVBの監督トゥヘルは、戦前にガバラFKのことを「非常に組織的かつ簡単には倒せないチーム」と評していた。

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