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日本代表 8年前

【現場記者の目】本田、ミランでの苦境をプラスに。キーマンとして存在感を示せるか

text by 元川悦子 photo by Getty Images

いかに右サイドから攻撃の起点を作るか

 確かに2008年1月の海外挑戦以来、彼はオランダのVVVフェンロ、ロシアもCSKAモスクワ、ACミランと3つのクラブを渡り歩いたが、本人も言うようにほぼコンスタントに試合に絡んできた。

 ミランでは浮き沈みも大きいが、フィリッポ・インザーギ監督が率いた昨季前半戦は右アタッカーとして新境地を見出し、10月までに6ゴールを叩き出す大活躍を印象づけていた。そんな昨季に比べると、今季の状況はまさに対照的。
コンディション維持の難しさは間違いないだろう。

 それでもベンチに座る日々から若手をサポートしたり、チーム全体の結束を図るといったリーダーシップは示せるはず。今回は一味違った本田圭佑の存在感を代表で見せる絶好のチャンスなのかもしれない。

 もちろん相手が格下ということで、ゴールに絡む結果は強く求められる。本田は2015年の国際Aマッチで8得点を稼いでおり、彼が岡崎、香川と並ぶ絶対的な得点源であるのは間違いない。

 6月のシンガポールとの2次予選初戦ではシュートの雨嵐を降らせながら無得点に終わり、本人も「前回は相手に真ん中に人数をかけられて、それでも真ん中から強引に突破しようとしていたところが反省点だった。非常にやりにくかった印象があった」と一抹の悔しさをのぞかせるだけに、今回こそ力の差を見せつける必要がある。

 前回の失敗を糧に、いかに右サイドから攻撃の起点を作るのか…。それが本田に課せられた最重要テーマと言っていい。

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